大倉幸宏
目次
・所感
・100年前の日本と今の日本
・まとめ
◆所感
100年前の日本は大正時代となります。その大正時代にまるで現代を予測しているかの様な、書物が沢山ありました。というか100年前も今もそれ程変わっていないというのが、結論になってしまうのですがw。働く者に対しては、長労働をするだけでなく生産性を考えよ。や、人の上に立つ者へのメッセージ。体罰やハラスメント。女性の権利や詐欺被害についてなど。現代と100年前では問題となっているポイントは大きく変わっていませんね。
背景としては、大きな時代の流れを混乱期から発展期、そして安定期へと移り変わる中の、今を安定期とすると、100年前もちょうど安定期にあたり、時代背景としては同じステージとして考える事ができる。100年前の日本はこの後戦争の時代を迎え、高度経済成長へと発展の意図を辿っていく。しかし現代の安定期はこの後どうなるのだろうか? もしかしたら衰退期を迎えてしまうのでは無いのであろうか。ツールは発達したにせよ、100年前と同じ問題がまだまだ解決出来ていない日本人にとって、とても大事な局面なのでは無いかと思わせてくれる一冊でした。
◆100年前の日本と今の日本
100年前にテレビやらインターネットやら、人々が情報を入手するのに、今と変わらない様な環境があったとしたら、もしかして毎日現代と同じような報道やニュースが流れていたのでは無いかと思うほど、同じ問題が発生していたと感じます。
ハラスメントなどの問題は、今やメディアが大きく取り上げるからこその問題でありますが、昔も今も変わらないのである。大倉さんはそういった資料を沢山集めては、すごく良くまとめて引用しているのでとても読みやすくなっています。詐欺被害なども全く今日と一緒と思います。
◆まとめ
この著書は時代背景の異なる二つの日本を比べる事で、現代の私達に警鐘を鳴らしていると考えました。今直面している問題は100年前と変わっていません。日本人の長所、短所ひっくるめて、これらの問題に対し、どのように対処しなければならないのか。でないと日本という国自体が衰退していくんではないかと。興味深い対比を用いながら、とても読みやすく、考えさせられる一冊です。大倉さんの他の著書も読みたいと強く感じました。
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